銀杏


でもそれからはお互い黙ってちょっぴり気まずい雰囲気。
いつもの友美だったらもっとコロコロよく変わる表情で、ケラケラ笑って、会話が止まることがない。

手元のジュースを飲んだり、お菓子を摘まんだり落ち着かないみたい。

「友美、どうしたの?落ち着いたら?さっきからソワソワしてる。」

「あ…うん。」

返事の後、俯き加減でいた友美は決心したように顔を上げた。

「………正直に話すね。」

友美はまっすぐ咲の目を見て話し出した。

「咲は保育園に通ってた頃のこと覚えてる?」

「少しは…。笑われるかもしれないけど尊の記憶しかないの。」

「そっか。私ね、同じ保育園にいたんだよ。」

友美はほんの少しにこっとする。

「え…そうだったの?知らなかった。もっと早く言ってくれればよかったのに。」

「…言えなかった。咲はあの頃から天宮くんが大好きでいつも一緒だったでしょ?私も好きだったの。だから咲が羨ましかった。」




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