銀杏
「…ああ、雪乃は星を見るのが好きだった。」
…驚いた。お兄さんがお母さんを好きだったのかと……
ちょっと待って。
大人になってから…て、お母さんはいなかったんじゃ…。
「いつか夜景を一緒に見たいとずっと思っていたんだ…。でもこうして雪乃の代わりに咲がいて、同じものを見て、同じように感じてくれるなんて思ってなかった。
俺が見るモノ、聞くモノ、感動するモノ、雪乃と分かち合いたかった全てのモノを咲が感じてくれる。
不思議なものだな。
咲は雪乃とは違うのに、咲といるとまるで雪乃がここにいるようだ。」