銀杏
急に二人だけになって、しん…とする家の中。
「おじいちゃん、大丈夫かな。」
「大丈夫だよ。何かあったらすぐ連絡してくるだろ。」
「……。」
「……。」
会話が続かない。
いつも何話してたっけ?
おばちゃんがいなくなっただけでこんなに静かで、二人だけだと何を話していいのかわからないなんて。
尊がその静かな空間を遮るように言葉を発した。
「母ちゃんいないだけで静かだな。」
「うん。」
「……。」
「……。」
「いかに普段から煩いか、よくわかるな。」
ぶっ、クスクスクス…
「……。」
「……。」