銀杏
「…咲、これは…」
「こんなの入れてたんだ。ふふっ…。こんな時があったんだね。」
中には、もうどんな花だったのか原型を留めていない花冠と…
色画用紙にキラキラの金や銀の折り紙を使って飾りをつけた冠。
そしてその冠を被った二人が並んだ絵。
壊さないようにそっと取り出した。
「思い出したよ、咲。確か二人だけの秘密にしようと言ったんだよな。でも確か埋めたままだったと…」
「そのことだけど…」
友美から聞いた話をしたら、尊には少し記憶があって、意地悪を言った子のことを覚えていた。
それが友美だとは気づかなかったみたいだけど。
色画用紙の冠を取り出すとその下に封筒がくっついているのに気づいた。
「あれ…何だこれ?」
「あ、冠につけた飾りの糊がはみ出してくっついたんだ。へえ、知らなかった。」
そっと剥がして中を確認する。
「尊…これ…これ…」
「何?」
尊が覗き込んだ。