銀杏
尊は「成り行きに委せればいい。我慢しなくていいから。」と言った。
恥ずかしくて堪えていたのに、そんなことお構い無しに勝手に出ちゃう。
…くすぐったかった。今まで自分しか触れなかった場所。恥ずかしい。
でも、いつの間にか全身で尊を感じてる。
言葉なんかいらない。
これは言葉のない会話だ。
こんな方法があることを初めて知った。
尊の愛し方は心地よくて、自分が自分でないようで、今まで知らなかった尊を知ることになった。
「なあ、やってみてどう思った?前と何か違うか?」
「……え…あの、…あのね…」
「ん?」
「尊のことが…」
「うん。」
布団を目のすぐ下まで引き上げてボソッと呟く。
「もっと好きになった。」
ふっ…と優しい笑みを浮かべると耳元で囁く。
「これからはもっと好きにさせてやる。」
尊に包まれるように眠りに就いた。