銀杏


〈尊side〉

「まだ夢みたい。楽しかった。」

家に帰ってからもまだ余韻に浸っていた。

「友美ちゃん、大活躍だったな。段取り、彼女が手配したんだろ?」

「…うん。」

ソファーに深く座って後ろにもたれた。

「咲?どうした。疲れたのか?」

「うん。色々あって疲れた。少し眠ってもいい?」

「ああ。俺も寝よっかな。」

ベッドに入ると咲は大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出した。

…珍しい。深呼吸なんて胸が痛いからってしばらくしなかったのに。

よほど疲れたのか、すぐに深い眠りに落ちたようだった。




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