銀杏


『どんな人だった?』

そんな時はいつもこう答えるんだ。

『何にでも一所懸命で一途だったよ。5歳の時からずっと好きな人はお父さんだったんだから。凄いだろ?』と…。

するとあの子はすかさずこう言うんだ。

『一途なのはお互い様じゃない。お父さんもお母さんが一生好きなんでしょ?』

娘の傍で咲が微笑んでいるように見えた。



fin.



< 776 / 777 >

この作品をシェア

pagetop