銀杏
ドンドンドン!
尊の部屋を荒々しく叩いた。
「ちょっと尊!話があるんだけど。」
『何だよ?』
尊は部屋の中から面倒臭そうに言う。
「入っていい!?」
『…ダメって言ったら?』
「ちょっと!真面目な話なんだから入るわよ。」
言いながら強引に部屋に入る。
「どっちみち入って来るじゃんか。何だよ?そんな目え吊り上げて。」
「何だよ?じゃなーい!!あんた何様のつもり?いつもいつも何かしら貸してって来て、何で返しに来ないのよ!お陰で何て言われてるか知ってる?“一文字は天宮を追いかけ回してる”何で私がこんなこと言われなきゃいけないの!?尊のせいだからね!何とかしてよ!」
「そんなに興奮すんなって。咲は俺のこと追いかけ回したか?」
「してないから怒ってんでしょー!」
「だったらいいじゃん。」
「…はい?」