スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
Honey

1‥甘い笑顔

「恭ちゃん。あのね」

「またかよ?」


リビングのソファにふんぞり返り、俺は幼なじみの秋本弥生を見上げた。


「え……まだ何も言ってない」


弥生は目を丸くして、俺を見下ろす。


「どーせまた頼まれたんだろ?『幼なじみなんでしょ? お願い! 恭哉君に気持ち伝えて!』ってさ?」


俺は嫌味を込めて言った。

ご丁寧に声色も変えて。


「何でわかったの?」


まるでよく当たる占い師を見るように、弥生の瞳が輝きを増す。


嫌味とか通じてねーし。


俺は目に掛かる前髪を指でいじった。

話があるっていうんで、弥生の家に来たけど。

またその手の話って。

……うんざりなんだけどさ。


弥生は気づいてねーよな?
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