スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
唇を離して、視線を合わせる。

弥生はよっぽど驚いたのか、口を半開きにして俺を凝視した。


「意味、わかった?」


前髪を掻き上げてやると、弥生はピクッと身体を揺らした。


「うそ……きょーちゃんが……あたしを?」

「嘘じゃねーって」


じっと見つめてくる弥生に苦笑を返す。


「弥生はどうなの? 俺のこと、どう思ってる?」


もう引き返せねーよな?


俺は、弥生を抱き締める腕に力を込めた。


オマエを離したくねーよ……


「恭ちゃん、あたし――」


弥生の目から、涙が溢れる。


「弥生……?」


俺は、頬を伝う透明な滴を指で掬ってやった。


「あたしも……恭ちゃんがスキ……」


甘い言葉に、俺は。

弥生の唇を、キスで塞いだ。
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