スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
付けっぱなしにしているテレビから、陽気な笑い声がリビングに響く。

一気に、現実へ引き戻された気がした。


「だって……あたし、久実ちゃんに頼まれたんだよ?」

「は……?」


久実って、確か弥生のクラスメイトだよな?


「だから、告白……」

「久実ちゃんが俺を好きってこと?」


短刀直入に尋ねると、弥生はコクンと首を折った。


「久実ちゃんに悪いから、付き合えないって?」


俺はちょっとショックで……

責めるような口調をしていた。


「久実ちゃんの気持ち知ってて……付き合えないよ」


弥生の言葉に、俺の理性は簡単にふっ飛んだ―――…
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