スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
「……? あぁ。あれは」


顔を横に向けると。

恭ちゃんの唇が、あたしの唇を静かに奪った。

顎を持ち上げられて、恭ちゃんの舌が唇をなぞる。


「んっ……」


漏れた吐息の隙間から、ゆっくりと、舌がねじ込まれて。

……甘い香りがした。


恭ちゃんの熱で溶け出したキャラメルが。

ふたりの熱で、さらに溶けてく。

絡まる舌に、広がる甘さに。


あたしのココロも、優しく溶けてく――


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