スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
「はい……」
雪菜は、申し訳なさそうに皐月を見上げた。
彼女の濃い紅茶色の髪が風になびいて。
舞い散る花びらと、絡み合う。
皐月は、一瞬。
その光景に見とれた―――…
「あの、本当に大丈夫ですから! 花岡先輩、戻りましょう?」
「待てよ」
慌てて去ろうとする雪菜の腕を、皐月がとっさに掴んだ。
「……え?」
雪菜は、腕と皐月を交互に見比べる。
「行くぞ」
「えっ、どこに? 秋本先輩!?」
皐月は雪菜の腕を掴んだまま、ずんずんと歩き出した。
唐突すぎる行動についていけず、花岡は呆然とふたりの背中を見送る。
「行っちゃった。私たちも戻りましょうか……って、遠藤先輩?」
花岡が振り向くと、遠藤は道端にしゃがみ込んでいた。
「花岡ぁ……俺、雪菜ちゃん狙ってたのにぃ~」
「…………」
花岡は首を横に振りながら、憐れむように遠藤の肩を叩いた。
雪菜は、申し訳なさそうに皐月を見上げた。
彼女の濃い紅茶色の髪が風になびいて。
舞い散る花びらと、絡み合う。
皐月は、一瞬。
その光景に見とれた―――…
「あの、本当に大丈夫ですから! 花岡先輩、戻りましょう?」
「待てよ」
慌てて去ろうとする雪菜の腕を、皐月がとっさに掴んだ。
「……え?」
雪菜は、腕と皐月を交互に見比べる。
「行くぞ」
「えっ、どこに? 秋本先輩!?」
皐月は雪菜の腕を掴んだまま、ずんずんと歩き出した。
唐突すぎる行動についていけず、花岡は呆然とふたりの背中を見送る。
「行っちゃった。私たちも戻りましょうか……って、遠藤先輩?」
花岡が振り向くと、遠藤は道端にしゃがみ込んでいた。
「花岡ぁ……俺、雪菜ちゃん狙ってたのにぃ~」
「…………」
花岡は首を横に振りながら、憐れむように遠藤の肩を叩いた。