スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
雪菜の髪から甘い紅茶の香りがして、皐月の鼻孔をくすぐった。


「すぐに拭いたから、そんなに目立たないですよ?」


レギンスを履いているためか、雪菜はスカートを大胆に持ち上げる。

我に返った皐月は、ちらっと目線を落として。


「ちょっとシミになってんな」


すぐに視線を上げた。


「う~ん……白いからかなぁ。でも洗濯すれば落ちますよ?」

「もういいから。降ろせ」


皐月の言葉に、雪菜は慌ててスカートから手を離した。


「何か悪ぃから……新しいの買うよ」

「えっ、やめてください!」


皐月の発言に驚いて、雪菜は忙しく首を振った。


「遠慮すんなよ」
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