スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
「ごちそうさまでした。すごく美味しかったです」


店を出ると、雪菜は丁寧に一礼した。


「あぁ。美味かったな」


素直な笑顔が眩しくて、皐月は目を細める。


「今度は、あたしが奢りますね」


春の陽が斜めから降り注いで。

陽に透けた雪菜の髪が、ストレートティーとよく似た色合いになった。


「期待しないで待ってるよ」


皐月の口元が、ふっと緩む。


何となく……

離れ難い空気が、ふたりを包んだ。
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