スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
「今日は本当にありがとうございました」


携帯電話の番号とメールアドレスを交換して、ふたりは駅の改札前で向かい合った。


「いや……スカート汚して悪かったな」

「もう忘れてください。そのおかげで先輩と話せたから。……楽しかったです」


寂しげな笑顔を浮かべる雪菜に、皐月は思わず手を伸ばしていた。


「俺も楽しかったよ。……雪菜」


頬に触れた皐月の掌が、温かくて。


「先輩……」


雪菜の胸が、きゅうっと甘い痛みを訴えた。
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