スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
「……きな! 雪菜!!」


別れを惜しむふたりの間に、突然。

野太い声が割って入った。


「……? え!?」


我に返った雪菜が、声のした方を振り向いて。

茶髪を風になびかせて走ってくる、兄を見つけた。


「てめっ! 雪菜に触ってんじゃねぇよ!」


雪菜に触れていた手を掴み上げ、彼は皐月を睨みつけた。


「誰だおまえは?」


皐月は冷めた目でその手を振り払う。


「おまえこそ誰だ?」


顔を近づけ、睨み合うふたり。
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