スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
ドアを開けると、見慣れたスニーカーが目に入って、皐月の目付きが変わった。


「恭哉あああ!!」

「わっ! 兄貴っ?」


どかどかとリビングに入ってきた皐月に、恭哉は弥生を抱き締めていた腕をほどいた。


「てめっ……弥生に触ってんじゃねぇよ!」


ん……何か。

どっかで聞いたようなセリフだな。


恭哉を追い掛けながら、皐月は眉を寄せた。


「もー! お兄ちゃん止めてよー!」


妹の戸惑う姿が雪菜とよく似ていて。

皐月の顔に、笑みが浮かぶ。


「ちょっ、その不敵な笑いは何なんだよっ?」


振り返った恭哉が、悲鳴を上げた。




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