スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
「えぇ? そんなことないよ? 急にどうしたの?」


初めてそんな質問をされた弥生は、目を丸くする。


「別に……」

「……変なお兄ちゃん」


思案げな兄の顔を不満そうに見つめ、弥生は立ち上がった。


「何か喉乾いたな。コーヒーでも淹れよっか?」


背伸びする弥生を、今度は皐月が見上げる。


「……たまには紅茶もいいな」

「えっ! お兄ちゃんが紅茶?」


コーヒー党な兄の意外なリクエストに、弥生は益々首を捻った。
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