スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
同じ時間。

同じベンチ。


月曜日から金曜日まで、彼は毎日そこにいて。

よっぽど運転手の腕がいいのか。

あたしと彼は、いつも向かい合わせの形になる。

線路側の扉にいるから、彼とは少し距離があって。

見つめ合ってるような気はするんだけど。


電車が走り出しても首が動かないから、やっぱり目は合ってないんだと思う。


手を振ったら。

どんな反応するかな?


なんて、毎回同じことを思うけど。

恥ずかしくて実行なんてできない。

もし無視されたりしたら、立ち直れないもん。


こうして見つめていられれば、幸せだもん……
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