スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
柔らかそうな茶色の髪が、春風に吹かれて舞い上がる。
彼は両腕を腿の上に乗せ、前傾姿勢をとった。
ひゃぁっ!
真っ直ぐな視線に、慌てて目を逸らす。
ってゆーか……
あたしを見てるわけじゃないから!
自分で自分に突っ込みを入れ、恐る恐る視線を戻してみた。
ドキンッ―――…
彼は相変わらずこっちを見ていて。
目が合ったような気がして、胸が苦しくなった。
ガクン、と電車が動き出して。
あたしの身体は『ここにいたい』っていう思いすら叶わず、彼から離れてゆく。
「また明日……」
届かないってわかってるけど。
言葉にしないと、全部消えてしまいそうなの。
遠ざかる彼を、見つめることしか。
できない恋だけど……
彼は両腕を腿の上に乗せ、前傾姿勢をとった。
ひゃぁっ!
真っ直ぐな視線に、慌てて目を逸らす。
ってゆーか……
あたしを見てるわけじゃないから!
自分で自分に突っ込みを入れ、恐る恐る視線を戻してみた。
ドキンッ―――…
彼は相変わらずこっちを見ていて。
目が合ったような気がして、胸が苦しくなった。
ガクン、と電車が動き出して。
あたしの身体は『ここにいたい』っていう思いすら叶わず、彼から離れてゆく。
「また明日……」
届かないってわかってるけど。
言葉にしないと、全部消えてしまいそうなの。
遠ざかる彼を、見つめることしか。
できない恋だけど……