スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
「……恭ちゃんこそ」


抵抗を諦めたのか、弥生は大人しくなって俺の胸に顔を埋めた。


「心の準備、できた?」

「えっ! ホントにするの?」


弥生は慌てた様子で俺を見上げる。


「その気じゃねーのかよ? 軽く傷つくじゃん……」


わざとシュンとしてみせると、弥生は泣きそうな顔になった。


「恭ちゃんのいじわる」


……マジで年上かよ?


弥生の髪をゆっくり撫でる。


「俺とじゃ、嫌?」


からかうのは止めて、真剣に尋ねた。

答えが「イエス」なら、冗談にしてしまおう。

もし、答えが「ノー」なら。


俺の気持ち、伝えよう……。
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