スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
4‥初雪の奇蹟
いつものベンチに彼の姿はなくて。
開いたドアの先を、ぼんやりと見つめた。
『ドアが閉まります……』
発車を知らせるベルが、ホームに響き渡る。
プシュウ――
目の前で、ドアが音を立てて閉まった。
カタタン、カタタン……
遠ざかってゆく電車を見送る。
とっさにホームへ降りた、自分に驚きながら。
「――うそつき……」
静けさの訪れたホームに、白い溜め息が舞う。
『見つめていられれば幸せ』
なんて思ってたあたしは、もういなくて。
綺麗な気持ちだけじゃいられないくらい……
あなたが好きで。
心の中で、叫んでる。
気づいて。
気づいて。
あたしに気づいて……
名前も知らない、あなたの瞳に。
あたしは、映ってますか……?
開いたドアの先を、ぼんやりと見つめた。
『ドアが閉まります……』
発車を知らせるベルが、ホームに響き渡る。
プシュウ――
目の前で、ドアが音を立てて閉まった。
カタタン、カタタン……
遠ざかってゆく電車を見送る。
とっさにホームへ降りた、自分に驚きながら。
「――うそつき……」
静けさの訪れたホームに、白い溜め息が舞う。
『見つめていられれば幸せ』
なんて思ってたあたしは、もういなくて。
綺麗な気持ちだけじゃいられないくらい……
あなたが好きで。
心の中で、叫んでる。
気づいて。
気づいて。
あたしに気づいて……
名前も知らない、あなたの瞳に。
あたしは、映ってますか……?