スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
「こゆき……山田小雪。小さい雪って書くの」

「小雪、か。可愛い名前だな」

「……ありがとう」


目を細めた彼の笑顔が、本当に愛しくて。

あたしの胸がトクン……と、甘く切ない痛みを奏でた。


「俺は井上湊」

「みなと……くん?」

「呼び捨てでいいよ」


そう言って笑う彼を夢心地で眺めていると、肩越しに白雪がちらついた。

まるで、あたしたちを祝福するかのように降りそそぐ初雪……


「小雪」


気を取られていたあたしを、優しい声が呼び戻す。


「俺……」


穏やかなその瞳をのぞき込むと。

笑顔のあたしが、映っていた―――…






“Little Snow”End.
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