スイーツラブ~お菓子みたいな甘い恋~[短編集]
「答えないなら、無理やりするよ?」


俺は、弥生の顎を強引に持ち上げた。


「恭ちゃんどうしたの? 何かオカシイよ……」


顔を真っ赤にした弥生の、眼尻に涙が溜まっていく。


「弥生のせいだよ?」


顎にかけた指を滑らせ、俺は弥生の頬を撫でた。


「あ、あたしのせい?」

「そ。俺はとっくにオカシクなってんの。ずっと隠してただけ」


指先を頬から唇に落とすと、弥生は目を見開いた。


「どういう意味……?」

「まだわかんねーの?」


弥生の鈍さに溜め息を吐いて、俺は再び彼女の耳へ唇を近づけた。


不毛な駆け引きは、もうやめよう。

ぐずぐずしてたら、いつまでたっても手に入れられないから。


フラれたって、俺は諦めねーから……


「弥生。好きだよ?」
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