四竜帝の大陸【青の大陸編】
「<監視者>は秩序に重きを置く存在だ。原因と結果を差し出せば他は気にも止めないだろうよ!てめえのしわしわの首なんぞ、必要はまるっきりねえんだ!」
ぼんくら・しわしわと言われた王は……微笑んだ。
自分を守る為に非情な決断を叫ぶ友人に。
「異界の娘は被害者だ。<監視者>に渡せば処分される。髪1本残さず……存在を消滅させられる。それにミー・メイはお主の一人娘だ。命だけは助けてやりたいのだ」
「父上。私を<監視者>に罪人として渡してください。異界の娘は一生を城内で監禁・監視するので命は助けていただきたいと<監視者>に申し上げ……」
「このクソ餓鬼! てめえの意見は却下だって言ってんだろうが! ぶち殺すぞ!」
なんかもう……この場に居たくない。
他の三人の大臣達は会議室からそっと退室した。
三人の大臣が隣室に移動すると同時に、扉の向こうから破壊音が響く。
「ゼイデ殿……だな」
イラスは財務大臣として冷静に判断する。
たとえ同僚でも容赦なく。
「この音から察するに。……テーブルを壊したな。あれは青の竜帝様お抱えの職人による逸品だぞ。いくらしたと思ってるんだ、あの二重人格怪力男め! 弁償請求書を至急用意せねば!」
「イラス、今はそれどころはない。国家の一大事真っ最中だ。逃避したいのは分かるがな」
1番年若いイラスの肩を叩き、なだめるのは大臣の中で最年長のリシサス老。
「しかし……。あの異界の娘はほんに憐れ。なんの罪もない、まだ若い娘。助けたい気持ちはあるが庇えば<監視者>は容赦しないでしょうね」
扇で口元を隠し、ため息をついたのは妖艶な熟女。
彼女はこの国初の女性の大臣となったセシー将軍閣下。
将軍職と大臣職をこなす女傑。
ゼイデと組み手ができる最強の女戦士。
「この世界に居る限り<監視者>からは逃げられないもの。殿下や陛下だって、分かっているはずだわ。お優しいから認めたくないんでしょう。ゼイデ殿の案が最も現実的で最良だわ」
三人が複雑な思いで黙り込んだ時……騎士が廊下を走ってきた。
緊急時以外、王宮の廊下は走るのは禁止されている。
つまり、緊急事態。
騎士は三人の前で膝をつき、荒い息で報告した。
「<監視者>様の離宮の門に明かりが灯されたのを確認致しました!」
ぼんくら・しわしわと言われた王は……微笑んだ。
自分を守る為に非情な決断を叫ぶ友人に。
「異界の娘は被害者だ。<監視者>に渡せば処分される。髪1本残さず……存在を消滅させられる。それにミー・メイはお主の一人娘だ。命だけは助けてやりたいのだ」
「父上。私を<監視者>に罪人として渡してください。異界の娘は一生を城内で監禁・監視するので命は助けていただきたいと<監視者>に申し上げ……」
「このクソ餓鬼! てめえの意見は却下だって言ってんだろうが! ぶち殺すぞ!」
なんかもう……この場に居たくない。
他の三人の大臣達は会議室からそっと退室した。
三人の大臣が隣室に移動すると同時に、扉の向こうから破壊音が響く。
「ゼイデ殿……だな」
イラスは財務大臣として冷静に判断する。
たとえ同僚でも容赦なく。
「この音から察するに。……テーブルを壊したな。あれは青の竜帝様お抱えの職人による逸品だぞ。いくらしたと思ってるんだ、あの二重人格怪力男め! 弁償請求書を至急用意せねば!」
「イラス、今はそれどころはない。国家の一大事真っ最中だ。逃避したいのは分かるがな」
1番年若いイラスの肩を叩き、なだめるのは大臣の中で最年長のリシサス老。
「しかし……。あの異界の娘はほんに憐れ。なんの罪もない、まだ若い娘。助けたい気持ちはあるが庇えば<監視者>は容赦しないでしょうね」
扇で口元を隠し、ため息をついたのは妖艶な熟女。
彼女はこの国初の女性の大臣となったセシー将軍閣下。
将軍職と大臣職をこなす女傑。
ゼイデと組み手ができる最強の女戦士。
「この世界に居る限り<監視者>からは逃げられないもの。殿下や陛下だって、分かっているはずだわ。お優しいから認めたくないんでしょう。ゼイデ殿の案が最も現実的で最良だわ」
三人が複雑な思いで黙り込んだ時……騎士が廊下を走ってきた。
緊急時以外、王宮の廊下は走るのは禁止されている。
つまり、緊急事態。
騎士は三人の前で膝をつき、荒い息で報告した。
「<監視者>様の離宮の門に明かりが灯されたのを確認致しました!」