四竜帝の大陸【青の大陸編】
息切れするなど鍛錬不足と普段なら一喝するセシーだが、さすがに声が出なかった。
あれは<監視者>の入宮を感知し、自動的に反応する術式の灯りだ。
すでに<監視者>は王宮内……離宮に居る。
「やっぱり会議は無駄だったわね。きっともう彼女はいない」
紫色の瞳を閉じ、短く黙祷する。二人の大臣も同じように黙祷した。
「……陛下にお伝えしなければ。あと、ミー・メイの安否確認を! まだ無事ならば牢からだし明朝、<監視者>に引き渡します」
結局、事態の決定は王の居る会議室ではなく隣室(避難所ともいう)で行われた。
報告に来た三人の大臣に王は疲れた顔で言った。
「……分かった。残念だがな。所詮、人がどう足掻こうと‘世界の理‘には逆らえぬ」
深々と頭を下げた三人から目線を戻し、‘忠臣な友人‘に‘お願い‘をした。
「ゼイデ……いや、フイ。今夜は娘の側に。父親としてな」
ゼイデ・ガロ・フイは深いため息をつくと一礼し退室した。
「さて、陛下と殿下。そのお姿はどうなさったの?」
この国で最も高位にいるはずの男とその息子は椅子に座っていた……縄で幾重にも固定され。
簡単にいうなら……縄でぐるぐる巻きで椅子に捕縛か?
解こうと激しく抵抗した形跡のある皇太子は、体力を使い果たしたのかぐったりとして顔を上げる余力も無い有様で。
「フイ……ゼイデは余と皇太子が勝手な行動をすると危惧したのだ。まあ、忠義心による結果なので。皆、見なかったことにするように」
「(はあ、まあ……いいですけど)はい、陛下」
あれは<監視者>の入宮を感知し、自動的に反応する術式の灯りだ。
すでに<監視者>は王宮内……離宮に居る。
「やっぱり会議は無駄だったわね。きっともう彼女はいない」
紫色の瞳を閉じ、短く黙祷する。二人の大臣も同じように黙祷した。
「……陛下にお伝えしなければ。あと、ミー・メイの安否確認を! まだ無事ならば牢からだし明朝、<監視者>に引き渡します」
結局、事態の決定は王の居る会議室ではなく隣室(避難所ともいう)で行われた。
報告に来た三人の大臣に王は疲れた顔で言った。
「……分かった。残念だがな。所詮、人がどう足掻こうと‘世界の理‘には逆らえぬ」
深々と頭を下げた三人から目線を戻し、‘忠臣な友人‘に‘お願い‘をした。
「ゼイデ……いや、フイ。今夜は娘の側に。父親としてな」
ゼイデ・ガロ・フイは深いため息をつくと一礼し退室した。
「さて、陛下と殿下。そのお姿はどうなさったの?」
この国で最も高位にいるはずの男とその息子は椅子に座っていた……縄で幾重にも固定され。
簡単にいうなら……縄でぐるぐる巻きで椅子に捕縛か?
解こうと激しく抵抗した形跡のある皇太子は、体力を使い果たしたのかぐったりとして顔を上げる余力も無い有様で。
「フイ……ゼイデは余と皇太子が勝手な行動をすると危惧したのだ。まあ、忠義心による結果なので。皆、見なかったことにするように」
「(はあ、まあ……いいですけど)はい、陛下」