四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ハ、ハクちゃん! ……ハクちゃんっ!?」
隣に居たはずのハクちゃんがいない。
立ち上がって見回したけれど、目に付くと所には姿が無い。
「トリィ様、ヴェルヴァイド様は……」
カイユさんが不安げな声をあげた。
私は支店長さんに抗議すべく、彼の側に早足で移動し……。
ダルフェさんが彼の口から手を離すと同時に。
頬を引っ叩いていた。
私、この世界に来てから手が早くなった気が。
ハクちゃんの影響かな?
でも。
だって!
「ハクちゃん、傷つきました! 貴方があんなことを教えたからです!」
ハクちゃんは素直で、不器用で。
自分の手が私を傷つけるのを、とても怖がっていたのに。
苦しそうに咳き込む私を見て、どこかで自分を責めているに違いない。
不用意にあんなことをハクちゃんに教えるなんて!
未だに手をにぎにぎしている彼に!
どこかでまた、内臓を眼から出して泣いてるかもしれない。
見た目以上にハクちゃんは繊細な人なのに!
「私を責めるのですか?」
支店長さんの藍色の眼が細まる。
温和そうな顔が一瞬で鋭い印象に変わった。
「貴女が給餌行為に抵抗したからでしょう? 傷つけたのは貴女でしょう?」
なっ……!?
「貴女を独り占めしたい、隠しておきたい彼の気持ちを理解せずこうして暢気に他の雄竜と会っている。貴女の軽はずみな行動が彼を苦しめるんです」
支店長さんはゆっくりと、私に向かって両腕を伸ばし。
「自覚をしなさい。貴女自身の為に」
意図を察した私が下がろうとする前に、支店長の腕に捕まり引き寄せられた。
端正な顔が私に落ちてきた。
キス?
私、キスされたの?
口に。
支店長さんに。
ハク以外の、男の人に。
隣に居たはずのハクちゃんがいない。
立ち上がって見回したけれど、目に付くと所には姿が無い。
「トリィ様、ヴェルヴァイド様は……」
カイユさんが不安げな声をあげた。
私は支店長さんに抗議すべく、彼の側に早足で移動し……。
ダルフェさんが彼の口から手を離すと同時に。
頬を引っ叩いていた。
私、この世界に来てから手が早くなった気が。
ハクちゃんの影響かな?
でも。
だって!
「ハクちゃん、傷つきました! 貴方があんなことを教えたからです!」
ハクちゃんは素直で、不器用で。
自分の手が私を傷つけるのを、とても怖がっていたのに。
苦しそうに咳き込む私を見て、どこかで自分を責めているに違いない。
不用意にあんなことをハクちゃんに教えるなんて!
未だに手をにぎにぎしている彼に!
どこかでまた、内臓を眼から出して泣いてるかもしれない。
見た目以上にハクちゃんは繊細な人なのに!
「私を責めるのですか?」
支店長さんの藍色の眼が細まる。
温和そうな顔が一瞬で鋭い印象に変わった。
「貴女が給餌行為に抵抗したからでしょう? 傷つけたのは貴女でしょう?」
なっ……!?
「貴女を独り占めしたい、隠しておきたい彼の気持ちを理解せずこうして暢気に他の雄竜と会っている。貴女の軽はずみな行動が彼を苦しめるんです」
支店長さんはゆっくりと、私に向かって両腕を伸ばし。
「自覚をしなさい。貴女自身の為に」
意図を察した私が下がろうとする前に、支店長の腕に捕まり引き寄せられた。
端正な顔が私に落ちてきた。
キス?
私、キスされたの?
口に。
支店長さんに。
ハク以外の、男の人に。