四竜帝の大陸【青の大陸編】
だ、だめ。
我慢できな~い!
「ぶぶっ……あははあぁ!」
「りこ?」
だめ、やっぱり……だめだ。
この人にはかなわない。
「な、なんで鍋のままなの? うう、おもしろすぎるっ!」
ハクちゃんは金の眼を、ほんの少し蓋をずらした隙間から覗かせ言った。
「出てはいけないからだ。りこが許してくれるまでは駄目だから。術式も使わなかったぞ? 我は反省中なのだ」
鍋の底の足が引っ込み、蓋が完全にしまった。
そうすると、普通の鉄鍋になった。
「我は……我は、りこを傷つけてばかりだ……心も、身体も」
ハクちゃん。
「我はりこを、りこだけを愛してる。傷つけたくない……大切な、大切な我のりこなのに」
ハクちゃん。
やっぱり。
貴方にはかなわない。
「ハクちゃん。初めての‘愛してる’が鍋の中からじゃ、さすがにちょっとね。感動が笑いに傾いちゃうよ」
私は鉄鍋に近寄って、しゃがんだ。
蓋をそっと外して中を覗き込む。
白い竜が身体を丸めていた。
お腹にくっつけるように曲げられていた小さな頭が、ゆっくりと持ち上がり。
金の眼に私が映る。
「……りこ」
きらきら光る金の眼の中。
私が笑っていた。
ハクちゃんとお揃いの金の眼で。
幸せそうに。
微笑んでいた。
「もう1度。愛してるって、言って。抱きしめて、言ってね。私だけを愛してるって」
「りこ……」
ハクちゃん。
大好き。
可愛い貴方も、怖い貴方も。
「愛してるの。私はハクを愛してる」
貴方が、大好き。
我慢できな~い!
「ぶぶっ……あははあぁ!」
「りこ?」
だめ、やっぱり……だめだ。
この人にはかなわない。
「な、なんで鍋のままなの? うう、おもしろすぎるっ!」
ハクちゃんは金の眼を、ほんの少し蓋をずらした隙間から覗かせ言った。
「出てはいけないからだ。りこが許してくれるまでは駄目だから。術式も使わなかったぞ? 我は反省中なのだ」
鍋の底の足が引っ込み、蓋が完全にしまった。
そうすると、普通の鉄鍋になった。
「我は……我は、りこを傷つけてばかりだ……心も、身体も」
ハクちゃん。
「我はりこを、りこだけを愛してる。傷つけたくない……大切な、大切な我のりこなのに」
ハクちゃん。
やっぱり。
貴方にはかなわない。
「ハクちゃん。初めての‘愛してる’が鍋の中からじゃ、さすがにちょっとね。感動が笑いに傾いちゃうよ」
私は鉄鍋に近寄って、しゃがんだ。
蓋をそっと外して中を覗き込む。
白い竜が身体を丸めていた。
お腹にくっつけるように曲げられていた小さな頭が、ゆっくりと持ち上がり。
金の眼に私が映る。
「……りこ」
きらきら光る金の眼の中。
私が笑っていた。
ハクちゃんとお揃いの金の眼で。
幸せそうに。
微笑んでいた。
「もう1度。愛してるって、言って。抱きしめて、言ってね。私だけを愛してるって」
「りこ……」
ハクちゃん。
大好き。
可愛い貴方も、怖い貴方も。
「愛してるの。私はハクを愛してる」
貴方が、大好き。