四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ねぇ、ハクちゃんは帝都でも離宮みたいに、お家ってあるの?」
帝都で住む場所が、気になる。
離宮みたいな所は落ち着かない。
重要文化財に住んでる感じで、気疲れしちゃうんだもの。
竜帝さんの会社は、社員寮とかあるのかな?
寮が無いなら、住宅費補助が欲しい。
賃貸を探すなら1LDKで充分。
ハクちゃんだって、竜でいれば場所をとらないし。
あぁ、ペット可物件……ペットじゃない、旦那様なんですって大家さんに言えば平気かも!
いろいろ考えていたら、ちょっとおかしな思考になってきた私を現実に引き戻したのはハクちゃんの言葉だった。
「竜宮を造るのは人間だけだ。帝都ではそういったものは無い。我は城の野外……庭で過ごしているな」
野外!?
庭でってどういうことっ!?
「ラパンの木の根元は落ち葉がふかふかしてなかなか具合がいい、ユネの植え込みの陰は少々湿っているが冬でも葉が落ちないので、雪や雨避けに最適なのだ」
ひ、ひどい。
なにそれ?
野良猫生活?
ハクちゃんは帝都でそんな酷い扱いを!?
あの竜帝小僧、でこピンだ!
「あの、部屋はあったと思いますよ? ヴェルヴァイド様が全く使ってなかっただけで」
制裁を誓う私に、カイユさんがそう教えてくれた。
「ハクちゃん、そうなの?」
「確かにある。が、我は睡眠をとらぬので寝台もいらん。部屋を使う必要性が皆無だったので……必要性……む?」
ハクちゃんの念話が途切れた。
「ハクちゃん? ハクちゃーん?」
呼びかけると、すぐに返事が帰ってきた。
「りこ! 我は部屋に必要性を感じた。今回は使う事にする。不衛生な野外で“する”わけにはいかぬからな」
ん?
“する”って、何を……不衛生っていことは、お料理とか?
私、キャンプも平気なんだけど。
ま、それはおいといて。
そうですとも!
そうしようよ、うん。
ハクちゃんのお部屋に私を居候させて下さいませ。
とにかく安上がりな生活しないと。
「じゃ、決定ね! 私も一緒で良いよね!?」
良かった。
住む所があって。
社員寮が無くてもOK。
部屋ってことは離宮みたいな浮世離れした建物じゃなくて、お城の中の部屋かな?
居候の居候っぽいけど、夫婦なんだからいいのよ!
「うむ。我はりこと使う。あそこの寝台の硬さは……あまり柔らかいと……まぁ、それならそれで……」
「あ、あのっトリィ様! ヴェルヴァイド様のお部屋は塔の最上階です。階段も無く、人間では単独での出入りは不可能ですわ」
「なぁ!?」
なんですってー!
カイユさんが遠慮がちに教えてくれた内容に、私は言葉を失った。
そんな私にハクちゃんは。
「我が術式を使わねば、りこは部屋から一歩も出れないな」
とっても嬉しそうに、そう言った。
ちょっと。
ちょっと、ちょっと……ちょっと待ってぇええ!
帝都で住む場所が、気になる。
離宮みたいな所は落ち着かない。
重要文化財に住んでる感じで、気疲れしちゃうんだもの。
竜帝さんの会社は、社員寮とかあるのかな?
寮が無いなら、住宅費補助が欲しい。
賃貸を探すなら1LDKで充分。
ハクちゃんだって、竜でいれば場所をとらないし。
あぁ、ペット可物件……ペットじゃない、旦那様なんですって大家さんに言えば平気かも!
いろいろ考えていたら、ちょっとおかしな思考になってきた私を現実に引き戻したのはハクちゃんの言葉だった。
「竜宮を造るのは人間だけだ。帝都ではそういったものは無い。我は城の野外……庭で過ごしているな」
野外!?
庭でってどういうことっ!?
「ラパンの木の根元は落ち葉がふかふかしてなかなか具合がいい、ユネの植え込みの陰は少々湿っているが冬でも葉が落ちないので、雪や雨避けに最適なのだ」
ひ、ひどい。
なにそれ?
野良猫生活?
ハクちゃんは帝都でそんな酷い扱いを!?
あの竜帝小僧、でこピンだ!
「あの、部屋はあったと思いますよ? ヴェルヴァイド様が全く使ってなかっただけで」
制裁を誓う私に、カイユさんがそう教えてくれた。
「ハクちゃん、そうなの?」
「確かにある。が、我は睡眠をとらぬので寝台もいらん。部屋を使う必要性が皆無だったので……必要性……む?」
ハクちゃんの念話が途切れた。
「ハクちゃん? ハクちゃーん?」
呼びかけると、すぐに返事が帰ってきた。
「りこ! 我は部屋に必要性を感じた。今回は使う事にする。不衛生な野外で“する”わけにはいかぬからな」
ん?
“する”って、何を……不衛生っていことは、お料理とか?
私、キャンプも平気なんだけど。
ま、それはおいといて。
そうですとも!
そうしようよ、うん。
ハクちゃんのお部屋に私を居候させて下さいませ。
とにかく安上がりな生活しないと。
「じゃ、決定ね! 私も一緒で良いよね!?」
良かった。
住む所があって。
社員寮が無くてもOK。
部屋ってことは離宮みたいな浮世離れした建物じゃなくて、お城の中の部屋かな?
居候の居候っぽいけど、夫婦なんだからいいのよ!
「うむ。我はりこと使う。あそこの寝台の硬さは……あまり柔らかいと……まぁ、それならそれで……」
「あ、あのっトリィ様! ヴェルヴァイド様のお部屋は塔の最上階です。階段も無く、人間では単独での出入りは不可能ですわ」
「なぁ!?」
なんですってー!
カイユさんが遠慮がちに教えてくれた内容に、私は言葉を失った。
そんな私にハクちゃんは。
「我が術式を使わねば、りこは部屋から一歩も出れないな」
とっても嬉しそうに、そう言った。
ちょっと。
ちょっと、ちょっと……ちょっと待ってぇええ!