四竜帝の大陸【青の大陸編】
49
「おはよう、りこ」
あ。
金の眼。
「ん……おはよう」
ハクちゃんだ。
ハクちゃん……ん?
私、さっき。
「……ハク」
かけらをキスしながら貰って。
それで、そうしたらハクちゃんが……。
「!?」
うわぁっ!
今度はちゃんと憶えてます、私!
あれは、その。
と、途中だったよね?
それって……ま、まずいよね!?
「ハクちゃっ! 私っ、痛ぁっつ!」
勢い良く上半身を起こしたら。
私の顔を正座して覗き込んでいたハクちゃんに、額を強くぶつけてしまった。
「ご……ごめんなさいっ!」
鼻を両手で押さえたハクちゃんは、ちょっと涙目だった。
それを見た私は、ますます焦ってしまう。
正座をし、鼻を押さえて涙目の悪役顔美形様は仰った。
「ふぇ、ふぇこ。……わふぇは、ふぁなっ」
はい?
ふぇこ、ふぁな?
意味が分からない……えっ!?
「うっわ?! きゃーっ、ハクちゃん!」
白く長い指の間から、真っ赤な液体が一筋つつーっと。
「ハクちゃん、鼻血が出てるぅぅー!!」
どんだけ石頭なのよ、私の頭ー!
私は大急ぎで洗面所に走り、タオルを濡らして強く絞り。
正座したまま上を向き、鼻を押さえているハクちゃんの姿に半泣きになりながら。
「痛かったでしょう? すごい音したものっ。ごめんね、ごめんね」
ほくろ1つ無い白い肌に、真っ赤な血。
綺麗な爪を持つ長い指にも、大きな手の平にも……。
「ごめんね、ハクちゃん」
夢中で拭き取った。
血。
ハクちゃんの。
ハクちゃんの血。
え……これって、血の匂いなの?
花のように香る、甘い……甘い香り。
これが……血液の匂い?
血って普通は、錆みたいな鉄分の匂いがするのに。
「ん~っ」
思わず深く吸い込むと。
「あ、あぁれれ? 私、私っ……あれ?」
頭の中が。
ぐわ~んと、回った。
あ。
金の眼。
「ん……おはよう」
ハクちゃんだ。
ハクちゃん……ん?
私、さっき。
「……ハク」
かけらをキスしながら貰って。
それで、そうしたらハクちゃんが……。
「!?」
うわぁっ!
今度はちゃんと憶えてます、私!
あれは、その。
と、途中だったよね?
それって……ま、まずいよね!?
「ハクちゃっ! 私っ、痛ぁっつ!」
勢い良く上半身を起こしたら。
私の顔を正座して覗き込んでいたハクちゃんに、額を強くぶつけてしまった。
「ご……ごめんなさいっ!」
鼻を両手で押さえたハクちゃんは、ちょっと涙目だった。
それを見た私は、ますます焦ってしまう。
正座をし、鼻を押さえて涙目の悪役顔美形様は仰った。
「ふぇ、ふぇこ。……わふぇは、ふぁなっ」
はい?
ふぇこ、ふぁな?
意味が分からない……えっ!?
「うっわ?! きゃーっ、ハクちゃん!」
白く長い指の間から、真っ赤な液体が一筋つつーっと。
「ハクちゃん、鼻血が出てるぅぅー!!」
どんだけ石頭なのよ、私の頭ー!
私は大急ぎで洗面所に走り、タオルを濡らして強く絞り。
正座したまま上を向き、鼻を押さえているハクちゃんの姿に半泣きになりながら。
「痛かったでしょう? すごい音したものっ。ごめんね、ごめんね」
ほくろ1つ無い白い肌に、真っ赤な血。
綺麗な爪を持つ長い指にも、大きな手の平にも……。
「ごめんね、ハクちゃん」
夢中で拭き取った。
血。
ハクちゃんの。
ハクちゃんの血。
え……これって、血の匂いなの?
花のように香る、甘い……甘い香り。
これが……血液の匂い?
血って普通は、錆みたいな鉄分の匂いがするのに。
「ん~っ」
思わず深く吸い込むと。
「あ、あぁれれ? 私、私っ……あれ?」
頭の中が。
ぐわ~んと、回った。