四竜帝の大陸【青の大陸編】
「……旦那、今日の茶は中止にしましょう。晩飯まで奥でその子を寝かせてやんなさいな。あぁ、さっきの術士達の処理はヒンデリンに任せました。あいつはハニーと違ってやり過ぎるなんてこたぁ無い。適任ですよ」
ダルフェは苦笑を浮かべた。
「竜騎士なんて聞こえはいいが、しょせんは監視対象者の集まりですからねぇ。その中でもヒンデリンは飛びぬけて理性が強い。手加減が出来るし与えられた仕事を毎回、きちんとこなします。ハニーはすぐにばらばらにしちまうんでこの手の仕事には向きません」
竜騎士。
穏やかな性質を持つはずの竜族だが、時には強い凶暴性を持つ個体が現れる。
そういった個体は力も強く、他者を傷つけることに全く抵抗が無い。
人間と共存している現代社会にそれらを野放しにすることは、人間の竜族への恐れと嫌悪を増徴させることになるので竜帝により管理・監視されている。
強すぎる力と凶暴性。
他種族との共存を選んだ竜族の進化過程において、かなり薄らいできたその性質を濃く持つ個体。
先祖がえりの現象だと見られている。
我は、そう思わんのだがな。
種の進化や退化に口出しするほど、我は竜族の未来に興味が無いのでな。
はっきり言って、どうでも良いのだ。
「旦那。夕食は運びますがね、今夜は姫さんと一緒できません。陛下不在で下の奴等がてんやわんやでね。俺とハニーも手伝いに回ります」
力の強い個体は自分より強いものに服従する性質があるために、竜帝により竜騎士として管理されている。
全ての大陸の竜騎士が我に服従するのは、本能的な恐怖心によるものだ。
「分かった。あぁ、夕食にはカチの実も用意しろ。りこはカチが気に入りのようだった」
「はいはい、それとカカエの卵料理っすね。……一応言っておきますが」
我がりこにカカエの卵を食べさせたいのは、その高い栄養価にある。
温暖で過ごしやすかったセイフォンと違い、帝都は寒冷地なうえに高地なので人間には厳しい環境なのだ。
しっかり食べて身体を強くし、毎日健康でいて欲しい。
昨夜のように熱で苦しむ姿はもう見たくない。
元気で、笑っていて欲しいのだ。
「カカエの卵は精力剤としても有名ですがね~。何十個食べたって、姫さんじゃ旦那の望むような回数は無理っすよ。まぁ、ちい~っと性欲が上がる程度じゃないですか?」
「……………そうなのか?」
それは少し……かなり残念だが。
りこが笑っていてくれるなら、それでいい。
ダルフェは苦笑を浮かべた。
「竜騎士なんて聞こえはいいが、しょせんは監視対象者の集まりですからねぇ。その中でもヒンデリンは飛びぬけて理性が強い。手加減が出来るし与えられた仕事を毎回、きちんとこなします。ハニーはすぐにばらばらにしちまうんでこの手の仕事には向きません」
竜騎士。
穏やかな性質を持つはずの竜族だが、時には強い凶暴性を持つ個体が現れる。
そういった個体は力も強く、他者を傷つけることに全く抵抗が無い。
人間と共存している現代社会にそれらを野放しにすることは、人間の竜族への恐れと嫌悪を増徴させることになるので竜帝により管理・監視されている。
強すぎる力と凶暴性。
他種族との共存を選んだ竜族の進化過程において、かなり薄らいできたその性質を濃く持つ個体。
先祖がえりの現象だと見られている。
我は、そう思わんのだがな。
種の進化や退化に口出しするほど、我は竜族の未来に興味が無いのでな。
はっきり言って、どうでも良いのだ。
「旦那。夕食は運びますがね、今夜は姫さんと一緒できません。陛下不在で下の奴等がてんやわんやでね。俺とハニーも手伝いに回ります」
力の強い個体は自分より強いものに服従する性質があるために、竜帝により竜騎士として管理されている。
全ての大陸の竜騎士が我に服従するのは、本能的な恐怖心によるものだ。
「分かった。あぁ、夕食にはカチの実も用意しろ。りこはカチが気に入りのようだった」
「はいはい、それとカカエの卵料理っすね。……一応言っておきますが」
我がりこにカカエの卵を食べさせたいのは、その高い栄養価にある。
温暖で過ごしやすかったセイフォンと違い、帝都は寒冷地なうえに高地なので人間には厳しい環境なのだ。
しっかり食べて身体を強くし、毎日健康でいて欲しい。
昨夜のように熱で苦しむ姿はもう見たくない。
元気で、笑っていて欲しいのだ。
「カカエの卵は精力剤としても有名ですがね~。何十個食べたって、姫さんじゃ旦那の望むような回数は無理っすよ。まぁ、ちい~っと性欲が上がる程度じゃないですか?」
「……………そうなのか?」
それは少し……かなり残念だが。
りこが笑っていてくれるなら、それでいい。