四竜帝の大陸【青の大陸編】
「我は」

私の名前を呼んで、貴方がこうして抱きしめてくれるから。

「りこをもっと理解したい」

私は、笑える。
微笑むことも、大笑いだって。
もし、元の世界に帰ったら。
貴方と引き離されたら。
二度と笑えない気がする。
私が笑えるのは、ここ。
貴方が居てくれれば。

「ありがとう、ハクちゃん。……ふふっ、涙とまちゃったよ。もっと欲しい? ほっぺ抓ったらでるかな?」

自分の頬に伸ばした手は、大きな手に遮られた。

「そのようなこと、するな。りこが痛いではないか」
「だって、後は玉ねぎとか……悲しいこと考えるとか?」
「痛みも、悲しさも却下だ」

なら、どうしたらいいの?

「我は本日、ぱじゃまが嬉しくて泣いたな……なるほど、うむ」

ハクちゃんの金の眼が私をじーっと見た。
な、なんですか?
私の目を覗き込むようにして、瞬きもせず数十秒……。

「……今夜は駄目だな」

なに、駄目ってなんなの!?

「りこ。風呂だ、風呂に入ろう。我は早くぱじゃまが着たいのだ」

ぱじゃま……パジャマ。
そうでした。
朝からいろいろあったから忘れていた。
今夜はお揃いのパジャマ(私はズボンが無い恥ずかしい状態だけど)を着て、超ラブリーな竜のハクちゃんと……っく、デジカメ、携帯が欲しい!
この世界にカメラって無いのかな?
白黒でもこの際、我慢します!

「ううっ……写真集とか作りたいかも」
「りこ?」

私のこと、いっぱい知って欲しいけど。
 
おちび竜の貴方の可愛さに、変態になってく私は内緒です。
よくよく考えると。
初めて会った時からそうだったかな?
  

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