四竜帝の大陸【青の大陸編】
ハクちゃんはなかなか出て行ってくれなかった。
「外に行っててよ。トイレは1人でするんだよ」
「我らは‘つがい‘だ。離れるのは許可できん。それに危険が迫ったらどうする! 我はりこを護るのだから」
トイレで危険?
なによ、それ?
配管の故障で逆流が起こり、私が汚物の波に攫われるとか?
そんなこと、あるはずない!
「駄目。絶対に駄目! 早く出て行ってよ」
美女がそっと1人で出て行った。
あっ!
ハクちゃんも連れてってください!
「とにかく駄目なの! 私は人間なの! 竜の決まり事を押し付けないで」
トイレ我慢が限界に達した私はハクちゃんの胴をがしっとつかみ、ドアの外にぽいっと放り投げて乱暴に鍵を閉めた。
よくよく考えたら酷い態度だったけど、その時はそれどころじゃなかったから……。
洗面所から出で来た私に、ハクちゃんは羽(翼?)を忙しなく動かしながら言った。
「すまなかった、りこ。我は人間の生活について不勉強だった。今後はもっと知識を得て、りこの役に立てる我になるぞ! ……だから嫌わないでくれ。側に置いてくれ」
ハクちゃんがトイレの使い方を知らなかったから、怒ったと思ったのかな?
「嫌いになんて、ならないよ。ただ、トイレはこれからも入ってこないでね。私はそういう生活をしてきたの。分かってね?」
また手をにぎにぎしてる。
私に触りたいのかな?
やっぱり、可愛い。
私から手を伸ばし、ハクちゃんをそっと抱っこした。
金の眼が細くなった。
人間と違って表情は無いけれど、この眼がこの子の感情を伝えてくる。
安心したのかな?
「ハクちゃんが通訳してくれたから、すごく助かったんだよ?ハクちゃんのおかげだよ」
「りこ」
この世界で私の味方はハクちゃんだけ。
身体の、心の奥から染み出してくる想い。じんわりと……でもそれは濃く、深い。
ワレハ ツガイ ワレハ リュウジュ ワレハ ハンシン ワレハ セカイ
「りこ……りこ?」
「……なんでもないよ、ハクちゃん」
「外に行っててよ。トイレは1人でするんだよ」
「我らは‘つがい‘だ。離れるのは許可できん。それに危険が迫ったらどうする! 我はりこを護るのだから」
トイレで危険?
なによ、それ?
配管の故障で逆流が起こり、私が汚物の波に攫われるとか?
そんなこと、あるはずない!
「駄目。絶対に駄目! 早く出て行ってよ」
美女がそっと1人で出て行った。
あっ!
ハクちゃんも連れてってください!
「とにかく駄目なの! 私は人間なの! 竜の決まり事を押し付けないで」
トイレ我慢が限界に達した私はハクちゃんの胴をがしっとつかみ、ドアの外にぽいっと放り投げて乱暴に鍵を閉めた。
よくよく考えたら酷い態度だったけど、その時はそれどころじゃなかったから……。
洗面所から出で来た私に、ハクちゃんは羽(翼?)を忙しなく動かしながら言った。
「すまなかった、りこ。我は人間の生活について不勉強だった。今後はもっと知識を得て、りこの役に立てる我になるぞ! ……だから嫌わないでくれ。側に置いてくれ」
ハクちゃんがトイレの使い方を知らなかったから、怒ったと思ったのかな?
「嫌いになんて、ならないよ。ただ、トイレはこれからも入ってこないでね。私はそういう生活をしてきたの。分かってね?」
また手をにぎにぎしてる。
私に触りたいのかな?
やっぱり、可愛い。
私から手を伸ばし、ハクちゃんをそっと抱っこした。
金の眼が細くなった。
人間と違って表情は無いけれど、この眼がこの子の感情を伝えてくる。
安心したのかな?
「ハクちゃんが通訳してくれたから、すごく助かったんだよ?ハクちゃんのおかげだよ」
「りこ」
この世界で私の味方はハクちゃんだけ。
身体の、心の奥から染み出してくる想い。じんわりと……でもそれは濃く、深い。
ワレハ ツガイ ワレハ リュウジュ ワレハ ハンシン ワレハ セカイ
「りこ……りこ?」
「……なんでもないよ、ハクちゃん」