四竜帝の大陸【青の大陸編】
大気が揺れ。
振動となって、木々を押し潰す。
青かった空を。
白い稲妻が縦横無尽に引き裂く。
ガラスが割れるような音が絶え間なく響く。
全てが凍りつき、割れ、壊れ。
消え去る。
ホワイトアウトのように真っ白な視界。
それは白く、激しく、残酷。
「……」
なのに。
私の周りには。
暖かな、春の空気。
優しく甘い、花の香り。
貴方の、匂い。
胃液が逆流して苦かった口の中は。
爽やかで、ほんのり甘く爽やかな後味が……。
貴方はいつも、いつだって。
私を護ってくれる、助けてくれる。
「……ハクちゃん」
初めて会ったときから。
私の心を支えてくれて、護ってくれた。
異界から間違って連れてこられたんだから、都合が悪くなったら牢に入れられたり殺されたりするんじゃないかって。
ダルド殿下に身の安全を約束してもらっても、内心は疑心暗鬼で。
不安で、怖くて。
これから自分はどうなるんだろうって。
毎日、考えてた。
ハクちゃん以外は信用しちゃ駄目だって、びくびくしてた。
そんな私を、ハクちゃんは。
誰からも危害を加えられないように、いつだって側にいてくれて。
全てから……ハクちゃん自身からも護ってくれてた。
「ハク」
小さな爪が、私を傷つけないように。
強い力で、壊さないように。
振動となって、木々を押し潰す。
青かった空を。
白い稲妻が縦横無尽に引き裂く。
ガラスが割れるような音が絶え間なく響く。
全てが凍りつき、割れ、壊れ。
消え去る。
ホワイトアウトのように真っ白な視界。
それは白く、激しく、残酷。
「……」
なのに。
私の周りには。
暖かな、春の空気。
優しく甘い、花の香り。
貴方の、匂い。
胃液が逆流して苦かった口の中は。
爽やかで、ほんのり甘く爽やかな後味が……。
貴方はいつも、いつだって。
私を護ってくれる、助けてくれる。
「……ハクちゃん」
初めて会ったときから。
私の心を支えてくれて、護ってくれた。
異界から間違って連れてこられたんだから、都合が悪くなったら牢に入れられたり殺されたりするんじゃないかって。
ダルド殿下に身の安全を約束してもらっても、内心は疑心暗鬼で。
不安で、怖くて。
これから自分はどうなるんだろうって。
毎日、考えてた。
ハクちゃん以外は信用しちゃ駄目だって、びくびくしてた。
そんな私を、ハクちゃんは。
誰からも危害を加えられないように、いつだって側にいてくれて。
全てから……ハクちゃん自身からも護ってくれてた。
「ハク」
小さな爪が、私を傷つけないように。
強い力で、壊さないように。