四竜帝の大陸【青の大陸編】
私はハクちゃんの手からスカートを引き抜き、お風呂場へ走った。
そうでした、うっかりしてました!
バイロイトさんの時だって……。
脱衣所に飛び込み大急ぎで服を脱ぎながら、ふと気がづいた。

「そういえば……頬、痛くない」

あんなに痛みと熱を持っていたのに。
ん?
ハクちゃんが治ったなとか、回復能力がうんぬん言ってたよね?

「鏡、鏡っと……え?」

脱衣所の姿見を覗き込んで確認した頬は。

「う、そ……治ってる」

叩かれた痕は無く。
いつもと同じ。
これ、どういうこと?
支店でハクちゃんとした時、怪我をしたはずなのに……私、その後目覚めたらなんとも無くて。
治療技術が進歩した世界なのかな~と、暢気に考えてた。
帝都に着いて雨に打たれた後、高熱が出たって言われた時も。
起きたら咽喉がちょっと痛いだけだったし、ハクちゃんは私に過保護だからオーバーに言ってるんだろうって思ってた。
でも。
頬の件は、おかしいよね?

「……」

竜の貴方とお揃いの、金の眼になって。
貴方の鼻血で、酔っ払った私。
気・甘いかけら・回復能力。

「ハクちゃん……貴方は私の身体に、何をしたの?」




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