四竜帝の大陸【青の大陸編】
だが。
我のこの身体は、愛しい貴女を抱くには小さ過ぎて。

==……りこっ。

りこの頬を撫で、涙を拭ってやりたいのに。
我の爪は鋭くて。

あぁ、竜体ではなく。
人型でこの場に居たのなら。

我は貴女を抱きしめ、その涙をぬぐうのに。
愛していると口にして、溢れる想いをその唇に注ぐのに。
 
やはり、愛玩動物ではなく。
我は、りこの夫になりたい。
りこの小さな身体をこの腕に抱き、りこの柔らかな頬にこの手で触れたい。

==りこ、我は竜の女などいらぬ。りこだけで良いのだ……ずっと、我にはりこ一人だけでいいのだ。

りこは黙って涙を流し。
我は、りこの涙を舐め続けた。

綺麗で甘い、りこの涙。
切ないほど美しいそれを、星になどさせるものか。
 
りこの涙は、我のもの。
りこは、我のもの。

我は、りこのもの。



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