四竜帝の大陸【青の大陸編】
「旦那~、そんなにがっついたら、姫さんに逃げられちゃいますぜ? こないだ貸した【これで彼女も必ず落ちる! さり気に誘おうラブライフ 初級編】、ちゃんと読んだんですかぁ?」

ダルフェさん!?
またまた、そんな変な本をハクちゃんにー!

「読んだぞ? 我はさり気なかっただろう? 希望する回数や行為内容等については口にしなかったのだから」
「なっ!?」

首をかしげる小さな竜の姿は可愛らしいけど、言ってることがイヤァアアアア~!!

「もっと詳細に言うべきなのか? そうだな、我の希望としては……」
「お止めください、ヴェルヴァイド様! なぜ貴方様はそうなんですかっ!? トリィ様への言動・扱いは慎重になさって下さい! 人と竜は色々と違うんですからっ! ダルフェっ、お前の貸した本は全く駄目じゃない……この役立たずがっ!」

カイユさんは立ち上がると、ダルフェさんの頭に拳骨を落とした。
鈍い音が不気味に響き……ひええ~!
ダルフェさん、テ−ブルに突っ伏して動かなくなったんですがっ!?

「ぶっ……ぶ……ぶごぎゅげー!!」

ごとん。 
ごろごろ~ん……。

あ、竜帝さんのお口からメロン(ココラテ?)がっ!
吐き出されたメロンが、床をコロコロと……。

「ごほっ……ごほほっ!」
「<青>! 口に入れた物を出すな、汚いぞ」

ハクちゃんは両手を腰にあて、ふんぞり返ってむせている竜帝さんを注意した。

「ごほっ……て、てめえのせいだろうが、じじいぃいいい~!」

こ、これはこれで……。
平和な日常?

「まったくお前達が居ると、騒がしいな。落ち着いて‘あ~ん’が出来んではないか! ……すまぬな、りこ」

あ、あのですね、ハクちゃん。 
一番の問題は貴方のその謎の感性かもよ?

「に、賑やかでいいんじゃない? うん」
「そうか?」
「うん」

これは、これで。
ま、いいか……って、ことにしましょう!



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