四竜帝の大陸【青の大陸編】
うう~、緊張してしまう!
帝都に来て早々に、竜帝さんを病院送りにしちゃったし。
薬草園周辺も、めちゃくちゃにしてしまった。
私とハクちゃんはお城の人達に、迷惑掛けてる……ものすごく。
それに。
一ヶ月以上この世界に居るけれど。
ハクちゃんの妻として誰かに挨拶するのは、初めてだしっ!
ううっ、結婚後に旦那様の友人や上司に挨拶するのって、こんな気分なのかな?
語彙が少ない私には、この程度のレベルの挨拶しか……だ、大丈夫だったかな。
恐る恐る顔を上げた私が見たのは、生真面目な表情のままのヒンデリンさんと。
「「……」」
ポカーンと口を開けた少年2人と。
額を押さえるダルフェさんだった。
え、やだっ!
私、失敗しちゃったってこと?
うろたえる私にカイユさんは水色の眼を細め、頭を下げたときにずれてしまった髪に飾られた白い八重咲きの花に手を伸ばした。
丁寧に直してくれながら、カイユさんは言った。
「トリィ様がヴェルヴァイド様の‘つがい名’を口にされたので、少々驚いただけですわ。貴女様は人間で……異界人ですから。人前でヴェルヴァイド様を‘つがい名’でお呼びになっても、全く問題ございません。ヴェルヴァイド様だって、トリィ様を‘つがい名’でお呼びになってるんですし……ねぇ、役立たずもそう思うでしょう?」
カイユさん……なんか無理やり感がありますよ?
「う、ま、まあなぁ。餓鬼共にはちょっと、刺激が強かった気も……」
ちょっと、やっぱりどこかおかしかったんじゃないですか!?
うう~……はっきり言って下さい、今後の為にも!
「カ、カイユ! 私っ」
「りこ」
私の言葉を遮ったのは。
テーブルの上に座った、小さな旦那様だった。
気だるげにだらりと伸ばしていた短い足でピョンッと立ち上がり、顔を私に向けて黄金の眼をくるりと回す。
「りこ、我は着替えてくる」
え?
着替えって……人型になるってこと?
「え? あ、ううん」
全員の視線が、テーブルの上から私を見上げる白い竜に集中した。
ハクちゃんの姿がテーブルの上から消えると。
「はぁ~……ったく、参ったなぁ。完全無視ときたかぁ……ありゃ、かなり御機嫌斜めだぜ?」
ダルフェさんが腰に手を当て、深いため息を吐き出して言った。
ヒンデリンさんは、灰色の眼を細め……ゆっくりと頷き。
パスハリス君とオフラン君は。
「うぅ……僕、吐きそう。ちびらなかった自分を、褒めてやりたい! 怖かったよぉ〜」
「俺も、同感……はぁ、限界だ」
その場にストンと、しゃがみ込んでしまった。
帝都に来て早々に、竜帝さんを病院送りにしちゃったし。
薬草園周辺も、めちゃくちゃにしてしまった。
私とハクちゃんはお城の人達に、迷惑掛けてる……ものすごく。
それに。
一ヶ月以上この世界に居るけれど。
ハクちゃんの妻として誰かに挨拶するのは、初めてだしっ!
ううっ、結婚後に旦那様の友人や上司に挨拶するのって、こんな気分なのかな?
語彙が少ない私には、この程度のレベルの挨拶しか……だ、大丈夫だったかな。
恐る恐る顔を上げた私が見たのは、生真面目な表情のままのヒンデリンさんと。
「「……」」
ポカーンと口を開けた少年2人と。
額を押さえるダルフェさんだった。
え、やだっ!
私、失敗しちゃったってこと?
うろたえる私にカイユさんは水色の眼を細め、頭を下げたときにずれてしまった髪に飾られた白い八重咲きの花に手を伸ばした。
丁寧に直してくれながら、カイユさんは言った。
「トリィ様がヴェルヴァイド様の‘つがい名’を口にされたので、少々驚いただけですわ。貴女様は人間で……異界人ですから。人前でヴェルヴァイド様を‘つがい名’でお呼びになっても、全く問題ございません。ヴェルヴァイド様だって、トリィ様を‘つがい名’でお呼びになってるんですし……ねぇ、役立たずもそう思うでしょう?」
カイユさん……なんか無理やり感がありますよ?
「う、ま、まあなぁ。餓鬼共にはちょっと、刺激が強かった気も……」
ちょっと、やっぱりどこかおかしかったんじゃないですか!?
うう~……はっきり言って下さい、今後の為にも!
「カ、カイユ! 私っ」
「りこ」
私の言葉を遮ったのは。
テーブルの上に座った、小さな旦那様だった。
気だるげにだらりと伸ばしていた短い足でピョンッと立ち上がり、顔を私に向けて黄金の眼をくるりと回す。
「りこ、我は着替えてくる」
え?
着替えって……人型になるってこと?
「え? あ、ううん」
全員の視線が、テーブルの上から私を見上げる白い竜に集中した。
ハクちゃんの姿がテーブルの上から消えると。
「はぁ~……ったく、参ったなぁ。完全無視ときたかぁ……ありゃ、かなり御機嫌斜めだぜ?」
ダルフェさんが腰に手を当て、深いため息を吐き出して言った。
ヒンデリンさんは、灰色の眼を細め……ゆっくりと頷き。
パスハリス君とオフラン君は。
「うぅ……僕、吐きそう。ちびらなかった自分を、褒めてやりたい! 怖かったよぉ〜」
「俺も、同感……はぁ、限界だ」
その場にストンと、しゃがみ込んでしまった。