四竜帝の大陸【青の大陸編】
漏れる吐息を、抑えることも放棄して……。

「ふあっ……ん、ハクちゃ……んっ」

私の世界は、貴方だけになっていく。

「りこ」
 
身体の内側からも貴方に優しく包まれるみたいな、不思議な感じ……。
あぁ、身体も心も貴方で満たされ、溢れそう。
なんだかすごく、幸せな気分。
ほわほわ、ぽかぽかしてあったかい。
優しく微笑む貴方が……私を身体の内側から、抱いてくれてるみたい。
これが【気】の補充ってことなの?
前より強く貴方を感じられるのは、かけらの数が多かったから?
身体の内も外も、貴方に抱かれて……嬉しくて、幸せで。

「ハク……だい……す……き」
 
すごく気持ち良くて……気持ち良すぎて、目蓋が徐々に、重くなる。

「りこ……我は」

あぁ、寝ては、駄目。
だって、夕焼けを見に行くんだもの。
貴方とお出かけするの。
普通の恋人同士みたいに、手を繋いで歩いて……。
ハクちゃん、ハク……私、眠りたくない。
 
「我は、狩りに行かねばならん。夕暮れ前には必ず戻る」 

ん……ハクちゃんは、お出かけするの?
狩り?
狩り……お肉を獲りに行くの?
あ、お肉?
狩りって、お肉が目的よね?
お肉……竜帝さんにあげるのかな?
お見舞いに、彼の好きなお肉をあげるんだ……。
竜帝さんは、お肉が大好きだもの。
晩御飯に間に合うように、今から狩りに行くのね?
うん、待ってる。
帰ってくるのを、此処で待ってる。
貴方が側に居ないと寂しいから、お昼寝してるね。
次に眼を開けたときには、絶対に帰ってきてくれてるでしょう?
いつもみたいに「おはよう」って、言って……キスしてね。
 
「カイユが側に居る。安心して休むが良い」
 
うん。
いってらっしゃい。
がんばってね、あ・な・た。
 
「おやすみ、我の宝物」
 
 
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