四竜帝の大陸【青の大陸編】
恥ずかしさのあまり、あわあわと寝具に潜ってしまった私にハクちゃんは言った。

「我の所為だな。りこを飢えさせてしまって、すまない。すぐに食事を用意させる」

いたたまれなくて、顔を出せない私を寝具の上から優しく撫で、ハクちゃんは寝室を出て行った。
パタンと扉の閉まる音を聞き、慌てて掛けふとんを跳ね除けた。

ハクちゃんが悪いんじゃない。
彼は途中で、ちゃんと聞いてくれたものっ!
 
ーーりこ、りこ。カイユが居間に、茶を準備したと言ってるぞ。茶菓子にアダのタルトを用意したと……どうする? 茶にするか?

私、それどころじゃなかったから、いらないって返事を……だって、えっと、そのですねっ!
だから、お腹空いたのは自業自得なのであってハクちゃんのせいじゃ……。 
 
あれ?

あ、あの状態で普通、お茶がいるとか聞く!?
多分、あの時は……最中も最中、まさに真っ最中状態だったよね?
さすがハクちゃん、恐るべし!

ん?
あれ?
カイユさんが、ってことは……。
ま、まさか……!?
私達があれやこれやいたしている寝室の扉の向うで、「お茶ですよ」って言ってたってこと?
私は全く聞こえてなかった。
ハクちゃんの事しか考えられなくて、彼の声しか耳に入らず……は、は、恥ずかしすぎるっ。
そういえば今、何時?
うわわ~っ、六時過ぎてる!

「まずいっ……晩御飯の準備に、ダルフェ達が来てるかもっ!」

うっとりタイムと、お腹を鳴らすという失敗に気をとられてましたが、あのハクちゃんを1人で行かせるなんて……誰に何を言うか、考えるだけで恐ろしい!
またも、エッチについてべらべら喋ってたらっ……あの人ならやりかねない!

「ひっ!!」

私は大急ぎで服を着て、居間に向かった。
お風呂に入りたい気もしたけれど、意外にも身体中さっぱりとしていた。
ま、まさか……ハクちゃんが、拭いてくれたんだろうか?
きっと、そうだよね?
うわっ、恥ずかしいぃいい~! 

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