四竜帝の大陸【青の大陸編】
ハクちゃんは握力(?)が強いみたいだから、加減を間違えたのかな……。
彼の私に対する力加減は、もう完璧だと思う。
でって、そのっ、夫婦生活の『ナニ』も出来てるわけですしっ。
でも。
まだ時々、無意識に手をにぎにぎしているときもある。
基本的に力加減が苦手なのかな?
そんな自分をけっこう気にしてるのかも。
ハクちゃんは無表情悪役顔からは想像できないくらい、繊細なときもあるんだから……。

「そうだったの。頑張りすぎて、力が入り過ぎちゃったのかもね。竜帝さんも分かってくれるよ、きっと」

もしかして。
だから帰ってきた時の様子が変だったのかな?
失敗しちゃって、落ち込んでたのかな……。

「……あ、けっこうな量になったね。ほらハクちゃん、見て。金魚が水面に集まってるよ! お口をぱくぱくして、ご飯頂戴っておねだりしてる。可愛いね~、やってみたかったんでしょう? さあっ、ハクちゃんも餌をあげてみて」

切れ長の眼を細め、ハクちゃんは首を傾げた。

「はて? 我は魚に興味など無い」

あれ?

「魚に餌を与えるりこの表情が、我は好きなのだ」

は?

「餌を多く作ればいつもより長い時間、餌やりができるだろう? 我は魚を愛でる可愛らしいりこをその分、長く堪能できるということだ」

ぶぶっ!?
か、かかっ可愛らしいって、私が!?
は、恥ずかしいことをっ……ハクちゃん、貴方の目はやっぱり変です!

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