四竜帝の大陸【青の大陸編】
竜帝さんは。
私がいなくなった後の事を、今から考えてるはずだ。
とても優しい人だから。
私がハクのつがいになったのを知った瞬間から、避けられない未来に眼を向けて……心を痛めてる。
私、頑張らなくちゃ。
「は、はぁ……はい。あの、質問してもいい?」
もっと、もっと。
頑張らなくちゃ駄目。
「なんだよ?」
ありがとう、竜帝さん……ランズゲルグ。
この大陸から出たら、人間の私はもう二度と貴方と会えないけれど。
女神様のように綺麗で優しい貴方を、ずっと忘れない。
「竜帝さんの言う変なことって、なに?」
ハクちゃんて、基本的に変……というか変わってるし。
でも、嫌って言うほど変かというと……そうでもないし。
まあ、デリカシー皆無な奇天烈思考回路にも慣れてきたけれど。
変が多すぎて、竜帝さんの言う‘変’が分からないのです。
「なんで質問がそれなんだよ!? 普通は移動についてとか<約束>についてとかに疑問をだなっ……。変な事だとぉお~っ、おおっ俺様の口からはとても言えぇ~ん! 俺様は仕事だ、会議だ! 忙しいからこの場には居られないのだっ! さらば、おちびよ!」
顔を真っ赤にさせた女神様は、ふらふらと立ち上がり。
ダッシュで部屋を出て行った。
どうしたんだろう?
ゆっくりしすぎて会議に遅れそうとか……ま、いっか。
「りこ。我はこれが最も良いかと思うのだが……どうだ?」
竜帝さんに無関心な旦那様は、真ん中に穴の開いたリングクッキーを自分の顔の前にかざした。
表面に刻まれたオレンジピールがトッピングされいて、とっても綺麗なクッキーだった。
「穴からハクちゃんの眼が見えて、面白いね。ハクちゃんからも、私が見える? 美味しくて綺麗で……しかも面白いのを選んでくれたんだよね?」
私の言葉に、ハクちゃんはうなずき。
「うむ。りこ、あ~ん」
金の眼を細めて、私にクッキーを差し出した。
「素敵なクッキーを選んでくれてありがとう、ハク」
竜帝さん。
この世界での【私の居場所】は、この人……ハクだから。
どこだって、どの大陸だっていいの。
竜族とハクちゃんとの<約束>とか、あんまり気にならないの。
ハクがいてくれれば。
ハクが連れて行ってくれるなら。
「うん。美味しい! ねえ、ハクちゃん。雨、今日は降らないんだよね? 夕日を見に行くの、すごく楽しみ」
地獄にだって、ついて行く。
私がいなくなった後の事を、今から考えてるはずだ。
とても優しい人だから。
私がハクのつがいになったのを知った瞬間から、避けられない未来に眼を向けて……心を痛めてる。
私、頑張らなくちゃ。
「は、はぁ……はい。あの、質問してもいい?」
もっと、もっと。
頑張らなくちゃ駄目。
「なんだよ?」
ありがとう、竜帝さん……ランズゲルグ。
この大陸から出たら、人間の私はもう二度と貴方と会えないけれど。
女神様のように綺麗で優しい貴方を、ずっと忘れない。
「竜帝さんの言う変なことって、なに?」
ハクちゃんて、基本的に変……というか変わってるし。
でも、嫌って言うほど変かというと……そうでもないし。
まあ、デリカシー皆無な奇天烈思考回路にも慣れてきたけれど。
変が多すぎて、竜帝さんの言う‘変’が分からないのです。
「なんで質問がそれなんだよ!? 普通は移動についてとか<約束>についてとかに疑問をだなっ……。変な事だとぉお~っ、おおっ俺様の口からはとても言えぇ~ん! 俺様は仕事だ、会議だ! 忙しいからこの場には居られないのだっ! さらば、おちびよ!」
顔を真っ赤にさせた女神様は、ふらふらと立ち上がり。
ダッシュで部屋を出て行った。
どうしたんだろう?
ゆっくりしすぎて会議に遅れそうとか……ま、いっか。
「りこ。我はこれが最も良いかと思うのだが……どうだ?」
竜帝さんに無関心な旦那様は、真ん中に穴の開いたリングクッキーを自分の顔の前にかざした。
表面に刻まれたオレンジピールがトッピングされいて、とっても綺麗なクッキーだった。
「穴からハクちゃんの眼が見えて、面白いね。ハクちゃんからも、私が見える? 美味しくて綺麗で……しかも面白いのを選んでくれたんだよね?」
私の言葉に、ハクちゃんはうなずき。
「うむ。りこ、あ~ん」
金の眼を細めて、私にクッキーを差し出した。
「素敵なクッキーを選んでくれてありがとう、ハク」
竜帝さん。
この世界での【私の居場所】は、この人……ハクだから。
どこだって、どの大陸だっていいの。
竜族とハクちゃんとの<約束>とか、あんまり気にならないの。
ハクがいてくれれば。
ハクが連れて行ってくれるなら。
「うん。美味しい! ねえ、ハクちゃん。雨、今日は降らないんだよね? 夕日を見に行くの、すごく楽しみ」
地獄にだって、ついて行く。