四竜帝の大陸【青の大陸編】
「りこよ。くくっ……さあ甘味をくれ。それとも我に悪戯されるか?」
ハクちゃんが悪戯なんて、想像できない。
それに、ハクちゃんが甘いものを欲しがるなんて初めて。
食べる必要とその気が無いだけで、食べることが出来ない身体ではないって……こないだ言ってた。
シフォンケーキを試作したり、かぼちゃと触れ合ったから……食べ物に興味を持ったのかな?
甘味……お菓子!
「え~っと、クッキーとチョコがあるけど。どっちが欲しいの? 両方?」
ナッツのクッキーはパスハリス君、ドライフルーツが入ったチョコレートはオフラン君がくれたのだ。
彼らがよく行く、市街にある小さなお菓子屋さんの人気商品なんだと言っていた。
甘さ控えめで男の人にも食べやすい味だったから、ハクちゃんにも受けるかも……。
「どちらもいらぬ。我は菓子は食わぬ。……我の味覚は、りこ専用なのだから」
ハクちゃんは私の左の耳に微かに触れさせた唇で、囁くように言った。
「ちょっ……んっ!」
ひいぃ~っ、絶対にわざとだぁ!
「りこ……『Trick or Treat?』」
うぎゃああ!
くわっ、くわっわわぁ……咥えたまま喋るのは、やめてって昨日も言ったでしょうがぁ~。
これはちょっと苦手というか、困るというか弱いというかっ……そのですねっ!
どわわぁ~!
な……ななな舐めっ!?
「ハ、ハクちゃん! やめっ……」
ハクちゃんの腕から逃げようとしたけれど。
「菓子などいらぬ。我が欲しいのは、りこだけだ」
貴方の声に、言葉に……捕らわれてしまった。
りこ だけ
「……私、だけ?」
それは魔法の言葉。
ハクちゃんが悪戯なんて、想像できない。
それに、ハクちゃんが甘いものを欲しがるなんて初めて。
食べる必要とその気が無いだけで、食べることが出来ない身体ではないって……こないだ言ってた。
シフォンケーキを試作したり、かぼちゃと触れ合ったから……食べ物に興味を持ったのかな?
甘味……お菓子!
「え~っと、クッキーとチョコがあるけど。どっちが欲しいの? 両方?」
ナッツのクッキーはパスハリス君、ドライフルーツが入ったチョコレートはオフラン君がくれたのだ。
彼らがよく行く、市街にある小さなお菓子屋さんの人気商品なんだと言っていた。
甘さ控えめで男の人にも食べやすい味だったから、ハクちゃんにも受けるかも……。
「どちらもいらぬ。我は菓子は食わぬ。……我の味覚は、りこ専用なのだから」
ハクちゃんは私の左の耳に微かに触れさせた唇で、囁くように言った。
「ちょっ……んっ!」
ひいぃ~っ、絶対にわざとだぁ!
「りこ……『Trick or Treat?』」
うぎゃああ!
くわっ、くわっわわぁ……咥えたまま喋るのは、やめてって昨日も言ったでしょうがぁ~。
これはちょっと苦手というか、困るというか弱いというかっ……そのですねっ!
どわわぁ~!
な……ななな舐めっ!?
「ハ、ハクちゃん! やめっ……」
ハクちゃんの腕から逃げようとしたけれど。
「菓子などいらぬ。我が欲しいのは、りこだけだ」
貴方の声に、言葉に……捕らわれてしまった。
りこ だけ
「……私、だけ?」
それは魔法の言葉。