四竜帝の大陸【青の大陸編】

SS~ある日のハクとりこ~

「ハクちゃん!?」

 お風呂から出て、髪をふきながら寝室に戻ると。
 先にお風呂から出ていた竜体のハクちゃんが、寝室にある大きな鏡の前に立っていた。
 彼が鏡……初めてのことだった。
 しかも。
 ただ立っているだけじゃなく、いろんなポーズをとっているのだ。
 片足をあげたり、万歳したり。
 しっぽをふりふりしたり。

 かわゆい。
 すごく、かわゆ~い!

 私は後ろからぎゅぎゅーって抱きしめ、頬擦りしたい衝動を押さえた。
 どんなにかわゆくても、この超ラブリーおちび竜は私の旦那様なの!

 我慢……我慢よ、りこっ!

 先日、竜帝さんに言われてしまったし……。
 竜体のハクちゃんを見る眼が、なんか怪しいって!
 私はとうとう他人からも変態疑惑をかけられるまでに、レベルアップ(?)してるってことで……ま・まずいよね!?
 <監視者>の奥さんが変態なんて、世間に知られたらハクちゃんが恥かいちゃう。
 ただでさえ不釣合いな私なのに……。
 
 鏡の前にぺたんと座ったハクちゃんの隣に腰を下ろし、訊いてみた。
 ハクちゃんには鏡を使う習慣が無い。
 その彼が、鏡を見てる……使うなんて、とても気になる。

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