四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ありがとう、りこ。玩具を壊してごめんなさいなのだ」
りこの黄金の瞳の中で。
小竜の我が、頭を下げた。
「うう……かわい……っ!」
りこの頬が、一瞬で染まった。
「おちび、だまされんな! じじいっ計算だろう、それっ!?」
貴女に『ごめんなさい』と、我は言う時。
その言葉を口にする時。
小さな幸せを感じ……喜びすら感じるのに。
ーーありがとう。
感謝を伝えるはずのそれは。
我にとって。
貴女への謝罪の言葉。
「ありがとう。りこ」
この世界に落ちてきてくれて。
この我へ堕ちてきてくれて。
『ありがとう』。
「ハクちゃん。晩御飯をもらいに、竜帝さんと食堂に行こうよ」
菓子の入っていた紙袋に壊れた玩具の欠片を全て入れ終わったりこが、上部を折って封をしながら言った。
「りこは待っていろ、我とランズゲルグだけで行く」
りこの黒髪は、まだ乾いていなかった。
服を湿らせぬように上げた黒髪は、薄紫の水晶で作った小花のついた数本の装飾ピンで留めてあった。
細いうなじが、立て襟の衣装の隙間から微かに覗いていた。
「交尾後なうえに風呂上りで色香の増したりこを、雄共がいる食堂へなど連れて行けん。<青>はりこの気に入りだから許しているが……ほら、まだ濡れている」
濡れて艶を増している髪に手を伸ばした。
爪で傷つけぬように注意しながら、ほつれた髪を耳にかけなおしてやる。
曲げた指の間接で左耳をなぞるようにすると、りこの唇が微かに震えた。
りこの黄金の瞳の中で。
小竜の我が、頭を下げた。
「うう……かわい……っ!」
りこの頬が、一瞬で染まった。
「おちび、だまされんな! じじいっ計算だろう、それっ!?」
貴女に『ごめんなさい』と、我は言う時。
その言葉を口にする時。
小さな幸せを感じ……喜びすら感じるのに。
ーーありがとう。
感謝を伝えるはずのそれは。
我にとって。
貴女への謝罪の言葉。
「ありがとう。りこ」
この世界に落ちてきてくれて。
この我へ堕ちてきてくれて。
『ありがとう』。
「ハクちゃん。晩御飯をもらいに、竜帝さんと食堂に行こうよ」
菓子の入っていた紙袋に壊れた玩具の欠片を全て入れ終わったりこが、上部を折って封をしながら言った。
「りこは待っていろ、我とランズゲルグだけで行く」
りこの黒髪は、まだ乾いていなかった。
服を湿らせぬように上げた黒髪は、薄紫の水晶で作った小花のついた数本の装飾ピンで留めてあった。
細いうなじが、立て襟の衣装の隙間から微かに覗いていた。
「交尾後なうえに風呂上りで色香の増したりこを、雄共がいる食堂へなど連れて行けん。<青>はりこの気に入りだから許しているが……ほら、まだ濡れている」
濡れて艶を増している髪に手を伸ばした。
爪で傷つけぬように注意しながら、ほつれた髪を耳にかけなおしてやる。
曲げた指の間接で左耳をなぞるようにすると、りこの唇が微かに震えた。