四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ジリギエ君、出ておいで」
私は膝をついて身をかがめ、ソファーの下を覗き込んだ。
「……大丈夫、ハクおじちゃんはジリギエ君をいじめたりしませんよ~」
いじめるどころか、ハクちゃんはこの子に無関心のようだった。
フォークを握ってちょこんとテーブルに座ったハクちゃんの視線は、ケーキに釘付けだった。
ダルフェさんがケーキをカットしてくれるを、じっと待っている。
昨日の夜、私とハクちゃんで作ったシフォンケーキ。
バケツサイズのビックなシフォンケーキ……ハクちゃんのハンドパワー?)が遺憾なく発揮された作品でございます。
「ジリギエく~ん。姉様達とケーキを食べよう?」
「……」
ジリギエ君からは返事が帰ってこない。
そんなに怖いの?
かわゆいおちび竜の“ハクおじちゃん”が……。
ハクちゃんはジリギエ君に何かしたわけじゃない。
午前中のシスリアさんとの勉強会からず~っと、私にぺとっと張り付いて……。
いつもより甘えん坊さんなハクちゃんは、朝からずっと竜体のまま私にくっついていた。
お茶の時間に合せてカイユさん達が来てくれたのに、私の胸から顔をあげようとしなかった。
カイユさんに抱かれたジリギエ君を見もしなくて……ハクちゃんまで赤ちゃんになってしまったかのようだった。外せない用事があってお茶会に参加できなかった竜帝さんがこの場にいたら、絶対に突っ込みを入れていたはず。
そんなハクちゃんの姿とジリギエ君を見比べ、苦笑するカイユさんの腕の中を背伸びして覗き込むと。
「……あ」
ジリギエ君は震えていた。
小さな眼は、私に抱っこされたハクちゃんに向けられていた。
初めて見たジリギエ君の眼は、ダルフェさんと同じ鮮やかな緑をしていた。
私は膝をついて身をかがめ、ソファーの下を覗き込んだ。
「……大丈夫、ハクおじちゃんはジリギエ君をいじめたりしませんよ~」
いじめるどころか、ハクちゃんはこの子に無関心のようだった。
フォークを握ってちょこんとテーブルに座ったハクちゃんの視線は、ケーキに釘付けだった。
ダルフェさんがケーキをカットしてくれるを、じっと待っている。
昨日の夜、私とハクちゃんで作ったシフォンケーキ。
バケツサイズのビックなシフォンケーキ……ハクちゃんのハンドパワー?)が遺憾なく発揮された作品でございます。
「ジリギエく~ん。姉様達とケーキを食べよう?」
「……」
ジリギエ君からは返事が帰ってこない。
そんなに怖いの?
かわゆいおちび竜の“ハクおじちゃん”が……。
ハクちゃんはジリギエ君に何かしたわけじゃない。
午前中のシスリアさんとの勉強会からず~っと、私にぺとっと張り付いて……。
いつもより甘えん坊さんなハクちゃんは、朝からずっと竜体のまま私にくっついていた。
お茶の時間に合せてカイユさん達が来てくれたのに、私の胸から顔をあげようとしなかった。
カイユさんに抱かれたジリギエ君を見もしなくて……ハクちゃんまで赤ちゃんになってしまったかのようだった。外せない用事があってお茶会に参加できなかった竜帝さんがこの場にいたら、絶対に突っ込みを入れていたはず。
そんなハクちゃんの姿とジリギエ君を見比べ、苦笑するカイユさんの腕の中を背伸びして覗き込むと。
「……あ」
ジリギエ君は震えていた。
小さな眼は、私に抱っこされたハクちゃんに向けられていた。
初めて見たジリギエ君の眼は、ダルフェさんと同じ鮮やかな緑をしていた。