四竜帝の大陸【青の大陸編】
「つがいになってくれたりこの望みは、なんであろうと叶えてやる。我は貴女にそう言ったのに」
知っていて。
分かっていて。
私をつがいに、伴侶にしてくれた。
「我はりこに、我の子を与えることはできぬ」
竜珠をくれたあの瞬間から。
「りこが先ほど言ったように、我は‘嘘吐き’なのだ」
貴方は、私を選んでくれてたんだ。
「あ……わた……」
私だけを、選んでくれてた。
私だけを!
なのに。
私は……!
「ご……ごめんなさっ……ごめんなさい! 私、私が……!」
私がこの世界に来なければ、貴方は他の女性と……竜族の女性をつがいにしてたのかもしれない。
私をつがいにしたから、ハクは竜族としての‘普通の幸せ’を失った。
そんな貴方の前で私は赤ちゃんを……ジリギエ君を抱いて、はしゃいで。
子供が欲しいと泣き喚いて。
ずっと子供が出来ないことを言い出せなかった貴方を、貴方の心をまた傷つけた。
酷いことしてしまった。
私はなんて酷いことを、貴方にしていたんだろう。
「ハク、ハク! わた……ハ?」
ハクの指が、私の唇をそっと押さえて言葉を封じた。
「りこ。我は我が竜で良かったと……りこを孕ませられぬことに、安堵していた」
指はそっと……肌の上を滑るように移動して、私の左の目元からこぼれる寸前の涙を拭った。
「ハク……?」
安……堵!?
「我は、子など要らぬのだ」
ハクは私を囲い込むように抱きしめた。
「こ……子など要らぬって……ハク!?」
私との間に隙間ができないように……まるで私達の間に何も、何者も入り込めないように。
「子が欲しいとは思うことが、我にはできぬ」
縋るように、強く……強く
。
「りこは我の……我だけのりこだ」
我だけの りこ
貴方のその言葉は。
その言葉の持つ意味は……。
ハク、貴方は。
貴方は子供を望んでなかったの?
子供達に囲まれた家庭を夢見たのは、私だけ?
子供が居れば貴方を独りにしなくてすむなんて、私の思い違い?
私に自分の子供を産ませたいなんて考えは……貴方の中には、ほんの少しも無かったの!?
「……ハク。あ…なたは」
貴方は子供を諦めたんじゃない。
「子になんの意味がある? そのよう存在は、我には邪魔なだけだ」
貴方は……。
知っていて。
分かっていて。
私をつがいに、伴侶にしてくれた。
「我はりこに、我の子を与えることはできぬ」
竜珠をくれたあの瞬間から。
「りこが先ほど言ったように、我は‘嘘吐き’なのだ」
貴方は、私を選んでくれてたんだ。
「あ……わた……」
私だけを、選んでくれてた。
私だけを!
なのに。
私は……!
「ご……ごめんなさっ……ごめんなさい! 私、私が……!」
私がこの世界に来なければ、貴方は他の女性と……竜族の女性をつがいにしてたのかもしれない。
私をつがいにしたから、ハクは竜族としての‘普通の幸せ’を失った。
そんな貴方の前で私は赤ちゃんを……ジリギエ君を抱いて、はしゃいで。
子供が欲しいと泣き喚いて。
ずっと子供が出来ないことを言い出せなかった貴方を、貴方の心をまた傷つけた。
酷いことしてしまった。
私はなんて酷いことを、貴方にしていたんだろう。
「ハク、ハク! わた……ハ?」
ハクの指が、私の唇をそっと押さえて言葉を封じた。
「りこ。我は我が竜で良かったと……りこを孕ませられぬことに、安堵していた」
指はそっと……肌の上を滑るように移動して、私の左の目元からこぼれる寸前の涙を拭った。
「ハク……?」
安……堵!?
「我は、子など要らぬのだ」
ハクは私を囲い込むように抱きしめた。
「こ……子など要らぬって……ハク!?」
私との間に隙間ができないように……まるで私達の間に何も、何者も入り込めないように。
「子が欲しいとは思うことが、我にはできぬ」
縋るように、強く……強く
。
「りこは我の……我だけのりこだ」
我だけの りこ
貴方のその言葉は。
その言葉の持つ意味は……。
ハク、貴方は。
貴方は子供を望んでなかったの?
子供達に囲まれた家庭を夢見たのは、私だけ?
子供が居れば貴方を独りにしなくてすむなんて、私の思い違い?
私に自分の子供を産ませたいなんて考えは……貴方の中には、ほんの少しも無かったの!?
「……ハク。あ…なたは」
貴方は子供を諦めたんじゃない。
「子になんの意味がある? そのよう存在は、我には邪魔なだけだ」
貴方は……。