四竜帝の大陸【青の大陸編】
「ん? ああ、じじいの記憶力の良さは異常だぜ? ヴェルは基本的には、すげぇ頭してんだよ。普段は生かされてねぇっていうか、覚える気が無いってだけで……短時間で済むと分かってたから、俺様は引き受けたんだ。おい、ダルフェ。俺は仕事に戻るぜ?」
 
女神様はあくびをしたために少し潤んだ青い瞳を、乱暴に手でこすった。

「お疲れ様っす、助かりましたよ。陛下の案で、問題無しでしたねぇ」

カイユさんと話していたダルフェさんが、感心したように言った。
ハクちゃんが記憶力がすごく良い事を知っていたのは、竜帝さんだったんだ……。

あれ?
記憶力がそんなに良いのに、パジャマの脱ぎ着をマスターするのにあんなに時間がかかるの?

なんか、変……おかしい。
矛盾に気がついてしまい、少し不安を感じた。

私の表情から竜帝さんは、ダンスが上手くできない事にまた落ち込んでいるのだろうと思ったようだった。

「おちび、気楽にやれ。単なる祭りなんだしよ? 主催者の俺様としては、楽しんで参加して欲しいしな!」

微笑む竜帝さんのお顔は美しすぎて……クロムウェルさんがお嫁さんにしたいと熱望するのも無理ないなぁ~って、思ってしまった。

 

< 513 / 807 >

この作品をシェア

pagetop