四竜帝の大陸【青の大陸編】
<監視者>の奥さんになった私は、王族とか貴族とか……特権階級の人からは、距離を置く必要があるようだった。

権力者の中には私に取り入って<監視者>であるハクちゃんを利用しようと考える人もいるから、気をつけなきゃいけない。
私みたいな‘甘ちゃんなお子様’は、海千山千の彼等にかかればコロッと信用して、懐柔されちゃうから……竜帝さんが、そう言っていた。

竜族と人間の均衡を保つ為にも、人間側について欲しくないのだと彼ははっきり口にした。
竜族は世界の覇権とかには興味が無く、人間との平和的な共存を望んでいるから……ハクちゃんの【力】を利用しないって言った。

その言葉に、嘘は無いと思う。
どうみても竜帝さんは、ハクちゃんを大事に思ってるもの。

四竜帝の総意により、現在の私は人間社会から隔離されている状態。
そんな私が唯一お付き合い(?)してるのがダルド殿下達……セイフォンだ。 
この世界で、人間の国の中でセイフォンとだけだ。

セイフォンだけ。

政治的に得することが、何かあるのかもしれない。
政治・得……。

最初、彼の良心にすがってこの世界で生き抜こうと考えた私だけど。 
利用されてるのは……私?

彼は誠実な人だった。
セシーさんやミー・メイちゃんも良くしてくれた。

「ハクちゃん……これ合ってる? 赤字のところ、直してみたんだけど」

もし、ハクちゃんが私をつがいにしてなかったら。

私って、どうなっていたんだろう?

< 529 / 807 >

この作品をシェア

pagetop